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判断事例集

体裁についての判断を、個人の感覚で終わらせず、判例として貯めていく場所です。 「前に似た判断があったか」をここで確認してから直すと、号全体の統一感が保てます。

  • 体裁の最終判断は、部長個人ではなく「編集担当」の役職に紐づけて行う
  • 判断の根拠は、次の3点で言語化する: (1) 読者のコスト、(2) 号全体の統一感、(3) 数学の慣習
  • 言語化できないものは、強制するルール(Must)にはしない
  • 決まった判断はここに追記し、必要に応じて 執筆ルール へ昇格させる

1件ごとに、次の形で記録します。

  • 題材: 何が問題になったか
  • 判断: どう直すことにしたか
  • 理由: 上の3点で説明する
  • 落としどころ: 全面適用が難しい場合の妥協案があれば

$u_k = k$、$v_k = 2^k$ のもとで、$V_k$ の計算を4行、$\Delta u_k$ の計算(実質 $(k+1)-k=1$ 程度)を3行に割る、別行立ての書き方をしていた。

Before のソース(抜粋):

\begin{align*}
V_k &= \sum_{i=1}^{k-1} v_i \\
&= \sum_{i=1}^{k-1} 2^i \\
&= 2 \cdot \frac{1-2^{k-1}}{1-2} \\
&= 2^k - 2
\end{align*}
\begin{align*}
\Delta u_k &= u_{k+1} - u_k \\
&= k+1-k \\
&= 1
\end{align*}

連鎖全体が1行に収まり、各ステップが自明な変換だけなら、等式の連鎖で1行(または文中式)に収める。 この判断は 執筆ルールの「数式の改行基準」 として明文化した。

After のソース(抜粋):

\[
V_k = \sum_{i=1}^{k-1} v_i
= \sum_{i=1}^{k-1} 2^i
= 2 \cdot \frac{1-2^{k-1}}{1-2}
= 2^k - 2
\]
である.また $\Delta u_k = u_{k+1} - u_k = (k+1)-k = 1$ である.

組版した例:

事例 No.1: 短い数式の改行の Before / After / After 2

  • 読者のコスト: 別行立てと改行は「ここは非自明なので注意して追ってください」という合図として働く。自明な計算に使うと、読者は身構えた分だけ拍子抜けする
  • 統一感: 合図を軽い計算に使い続けると、本当に注意してほしい式でも合図が効かなくなる
  • 慣習: $a = b = c$ という連鎖は、イコールの推移性を使う数学の標準的な記法で、「1行にイコールが2つある」こと自体は誤りではない
  • $V_k$ のように少し長い連鎖は、2行に割る形(組版例の After 2)でもよい
  • $\Delta u_k$ のような短い計算は文中式にする